第22話 ブロンプトンで行く、東京ぶらり旅 ——走って初めてわかった、東京の距離感

STORY

草加市は埼玉県東部、東京寄りの町だ。少し南へ下れば、もう足立区。
それならせっかくだし、ブロンプトンで東京まで足を伸ばして、有名どころをぶらりと巡ってみよう。そう思い立った。

📍 本日のルート

草加 → レインボーブリッジ → 東京タワー → 皇居・東京駅 → 草加

全行程はおよそ63km。数字だけ見ればそこそこの距離だけれど、実際に走ってみると、それ以上に「東京ってこういう位置関係だったのか」という発見が多い一日になった。

まずはひたすら南下、最初の30kmは正直ヒマだった

まずはひたすら南下する。
屋形船が浮かぶ川沿いや、どこか下町の気配が残る街並みを眺めながら、「今日は天気に恵まれたなあ」などと考えつつペダルを回す。

……とはいえ、最初の目的地であるレインボーブリッジまでは約30km。
ルートの問題だったのか、道中は思ったほど「東京らしい見どころ」があるわけでもなく、正直かなり暇だった。

築地に着いた瞬間、東京の空気が変わる

ようやく築地に差しかかると、空気が変わる。
観光客も多く、一気に街がにぎやかになる。

築地場外には、仕事の出張で来たことがある。
そのたびに立ち寄っていたのが、すしざんまいと、「きつね」というモツ煮込みの店。あの味の記憶が、ふっと蘇った。築地は銀座や新橋まで歩いて行ける距離感も含めて、やっぱり便利な場所だったなと思う。

汐留で困惑、「自転車は車道を走ってはいけない」問題

築地を抜けて汐留に入ると、自転車は車道を走ってはいけない場所があった。
これがなかなか混乱する。

危険防止のため、という理由はわかる。
でも、こちらからすると、道路のルールが看板ひとつで急に変わるのは正直かなり困る。こういうことがあるから、歩道を走る自転車がなかなか減らないのでは……とも思ってしまった。

レインボーブリッジ到着、向こう岸にはお台場

そんなことを考えているうちに、レインボーブリッジに到着。
向こう岸にはお台場が見える。

「お台場って、どうやって行くんだろう?」

そんなことを思いながら眺める景色は、いかにも東京湾岸らしくて気持ちがいい。

東京タワー、修学旅行以来の再会

次の目的地は東京タワー。
訪れるのは小学校の修学旅行以来で、少しワクワクしていた。

そして実際に走ってみて驚いた。
レインボーブリッジを出て、思っていた以上にすぐ東京タワーに着いてしまったのだ。

「レインボーブリッジと東京タワーって、こんなに近かったのか」

これは今回の旅で最初に感じた、強い“距離感のズレ”だった。
今でこそ東京のランドマークといえばスカイツリーかもしれない。でも、自分の中ではやっぱり東京タワーこそが「ザ・東京」だ。実際に目の前に立つと、なんだか胸にじんと来るものがあった。

皇居=江戸城跡、そして「東京駅だ!」の発見

そこから次は皇居へ。
つまり江戸城跡だ。

これもまた、東京タワーから驚くほど近かった。
レインボーブリッジ、東京タワー、皇居。頭の中ではもっとバラバラに点在しているイメージだったのに、実際に自転車で回ってみると、その近さに少し驚かされる。

地方の人間、とひと括りにすると怒られそうだけれど、自分は有名な観光地というのはもっと離れ離れにあるものだと勝手に思い込んでいた。
でも実際は、東京の名所は意外なくらいコンパクトにまとまっている。

皇居の周りを一周してみると、桜田門、半蔵門——聞いたことのある地名が次々に現れて、それだけでちょっとテンションが上がる。

そしてそのとき、ふと見覚えのあるレンガ造りの建物が目に入った。

「東京駅だ!」

皇居の正面にあたるような位置に東京駅があり、そこから皇居へ向かって、まっすぐに広い道——行幸通りが伸びている。
この景色は、地図や電車移動だけではなかなか実感できない。

あとで知った話:東京駅と行幸通り、実は“後付け”の景色だった

あとで調べて知ったのだけれど、東京駅の位置は最初から皇居のために決められたわけではなく、丸の内につなげるための駅だったらしい。
そして行幸通りは、その後で皇居へつながる形で整備されたのだとか。
最初から一体の景観として作られたわけではなく、後から今の形になっていった——そう思うと、あの一直線の景色もまた少し違って見えてくる。

皇居前が、まさかの“自転車天国”になっていた

さらに今回驚いたのが、皇居前の道路が封鎖されていて、自転車天国のようになっていたことだ。
片側3車線もある広い道路が、自転車の練習場のようになっている。現地のガードマンの方に聞くと、4月からずっとそうなっているとのことだった。

帰り道も発見の連続、皇居から東京ドーム・東大まで一直線

さて、そろそろ帰ろうか。
そう思って走り出すと、すぐに東京ドームシティに着く。
「皇居から東京ドームって、こんなに近いのか」とまた驚く。

さらに、東京ドームから東大も近い。

今まで東京は電車で移動することが多かったから、駅と駅のつながりでしか距離感を掴めていなかった。
でも、自転車で走ると、街と街が地続きになって見えてくる。
「あそこからここまでは、意外とすぐなんだな」
そんなふうに東京の位置関係が自分の足で理解できるのが、なんとも面白かった。

今回いちばんの収穫は、新しい観光地じゃなかった

今回の東京観光で得たものは、観光地そのものの新鮮さというより、むしろ東京という街の距離感や位置関係だったように思う。

有名な場所を巡ったはずなのに、いちばん印象に残ったのは「こんなに近かったんだ」という発見だった。
電車では見えない東京が、自転車だと見えてくる。
それが今回いちばんの収穫だったのかもしれない。

次回予告:また、輪行の旅へ

最近は輪行をあまりしていないけれど、今回走ってみて、また輪行の旅もしたくなってきた。
次は電車にブロンプトンを積んで、知らない街の距離感を探しに行くのも良さそうだ。

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