今日は久しぶりに心が重たい日だった。
突然の孤独感、焦燥感、虚無感が襲ってきた。
そんな日はやはり家族に会いたくなる。
最近はツラい日は「LET IT BE」を聞くのが習慣になってきている。
あるがままに受け入れれば答えが見つかる、そして暗闇でも光が差し込むように、最終的には平穏が訪れるといった歌詞がとても救いになる。
恥ずかしい話だが、ひとしきり泣いてからこう思った。
「妻の故郷を巡ろう!」
そう思い立ってすぐ、ブロンプトンと一緒に岐阜県瑞浪市へ。
📍 本日のルート
名古屋 → 瑞浪駅 → 白狐温泉 → 竜吟の滝 → 水晶山 → 釜戸駅 → 名古屋


電車の中で知った、瑞浪が「地球のロマンの町」である理由
付き合いたての頃に、小さい頃家の近くの水晶山ってところでよく水晶を拾っていたと聞いたことを思い出した。
瑞浪に向かう電車の中で水晶山のことを調べてみると、驚きの事実がわかった。
- 土岐花崗岩(白亜紀後期 約6,700〜6,800万年前):地下深くのマグマが冷えてできた深成岩
- 瑞浪層群(新第三紀中新世 約2,000〜1,550万年前):海・湖・川に堆積した砂岩・泥岩層
つまり、瑞浪は大昔地下深くのマグマが冷えてできた花崗岩と、海だった名残の瑞浪層群の砂岩・泥岩層があり、さらに花崗岩のひび割れの隙間をマグマで温められたシリカが大量に溶け込んだ熱水が入り込んで、それがゆっくり冷却したことで水晶ができた。それが長い年月を経て地上に現れ山となったのが水晶山というわけだ。
僕の奥さんは6,000万年前の水晶を拾っていたってこと。
なんか途方もなくスケールの大きい話になって、小さい奥さんはそのことわかっていたのだろうかと少し笑けてきた。
実は温泉があるのもこの地質のおかげだそうだ。
地下水が土岐花崗岩の隙間をくぐり抜け、ミネラル豊富な天然ラジウム温泉として湧き出している。江戸時代から湯治場として使われてきたのも納得だ。
また、土岐花崗岩が風化して砂になって、それが長い時間をかけ化学反応し粘土質に変化し、美濃焼の材料となった。
まさにロマンの町だと言える。
数千万年前からの幾重の奇跡が重なり現在に続いている。
それに比べたら自分の人生なんて一瞬のタイムスパンだ。
笑けてくるのと同時に涙が出そうになる。
何故か救われた気がする。
瑞浪駅でおばあちゃんと30分の立ち話【ブロンプトン輪行】
そんなことをしていると瑞浪駅に到着した。
いつものように折り畳み自転車のブロンプトンをパタパタと組み立てていると、一人のおばあちゃんが声をかけてくれた。
「なんて可愛い自転車やの。どこから来なさったの?」
ひとしきり説明をして、おばあちゃんの話もひとしきり聞く。
30分くらい話し込み、「えらい長い時間引き留めて悪かったね、気いつけてね!」と温かい言葉をかけていただいた。
正直楽しかったのは自分だ。
「こちらこそ楽しかったです、ありがとうございました。」
とお別れし、最初の目的地「白狐温泉」へ。
白狐温泉|江戸時代から続く冷泉と、天然記念物ヒトツバタゴの木【岐阜県瑞浪市】
瑞浪駅からは4.5㎞程だ。
駅前を出てすぐ土岐川の堤防沿いを走る。車通りはなく、とてものどかで快適に走る。
途中小学校で学童野球が練習をしていて息子を思い出し、懐かしい気持ちになる。

そこを抜けると19号線(旧中山道)を走るんだけど、まあまあ危ない。1.5㎞程我慢して抜けてすぐ到着した。
ナビでは到着になっているが見当たらない。
民家の奥に見えたので通っていいのか不安だったが進むと、圧倒的透明感が特徴的な白狐温泉の源泉に辿り着いた。

あれ?湯気がないな。と思い源泉を触ってみたが冷たかった。
調べてみると地下水が鉱石の隙間を通って湧き出た温泉なので、所謂「冷泉」というものらしい。大体温度は20度ちょっとらしい。
不思議なほどの透明度に暫く見惚れていた。

また源泉池のほとりに大きな木が枝を広げていた。
後で調べてわかったのだが、これが国の天然記念物・ヒトツバタゴ、通称『ナンジャモンジャ』と呼ばれる木だった。
5月になると雪をかぶったように真っ白な花が咲き誇るという。
その圧巻の光景から英語で「Japanese Snow Flower」と呼ばれるほど。
妻はこの木を知っていたのだろうか。
今度は花の季節に一緒に来てみたいと思った。
少し奥に行くと神社らしきものがあった。
・・・やばい!ここ神社だったんだ!
神社の正面の後ろを振り向くと100mほど先に鳥居が。。。
やっちゃったー
裏から入ってきちゃったから気付かなかった。。。
神域に自転車持ち込んじゃったよ。。。
「ほんとごめんなさい!知らなかったんです!」
とお詣りしておいた。

竜吟の滝ハイキング|700mに7つの滝と深い青の滝壺【瑞浪市 竜吟峡】
さて次の目的地は「竜吟の滝と水晶山」だ。
調べたら、竜吟の滝がある竜吟の森のウォーキングコースに水晶山へ行けるルートがあることが分かった。
白狐温泉から竜吟の滝の駐車場までは約2㎞。国道19号線なので非常に走りづらい。歩行者もいないので申し訳ないが歩道を走行させていただく。あっという間に到着。

奥の駐車場までは結構な坂があるので、手前の駐車場に停めとけばよかったと少し後悔した。
ここ竜吟の滝は約700mほどの間に7つも滝を見られる素敵な自然公園となっている。途中には様々な見どころもあり、一番小回りしたルートでも約3㎞ほどの登山のようなウォーキングが楽しめる。
駐車場にブロンプトンを停めて、いざ登山へ。

すぐにロッククライミングができる岩肌がある。とても危険そうな崖で、要予約と書いてある。
当然だ、勝手にやって勝手に滑落されて怪我でもされたらたまったもんではない。

一の滝・二の滝|迫力の滝と深い青の滝壺
そうこうしているうちに一の滝に到着。ここが一番落差が大きい滝で迫力があった。夏に来たらとてもよさそうだ。

すぐに二の滝に到着。落差は一の滝程ではないが横幅があり、これはこれで見ごたえのある滝だった。
一の滝も二の滝も、滝壺の水が深い青で美しかった。

三の滝〜梵天の滝|個性豊かな5つの滝と、岩肌の白い結晶
次に三の滝。まぁ滝と言われれば滝だねという感じの滝だった(笑)。

三の滝のすぐ傍に「岩と生きる根性檜」という看板が立った場所があり、岩の割れ目に根を張って健気に成長している檜がいた。
やはり限界とかは自分の常識の物差しで測るものではないなと改めて考えさせられた。

4つ目の滝は「えびす滝」。大岩の隙間を縫ったような滝が見どころだ。

えびす滝の傍には「縁結びの樫」という、根本で分かれているのに途中でまた結合している珍しい樫の木があった。これまた自分の常識の物差しの浅はかさを痛感することになった。
折角なので妻との縁もこの樫の木のように強固な縁になりますようにと、勝手にお祈りしておいた。

5つ目の滝は「あんま滝」。あんまり滝に見えないのダジャレなのか、一番小さい滝だった。

6つ目の滝は「昇竜の滝」。落差というよりも緩い勾配だが、確かに竜のようなシルエットの滝だった。

7つ目の滝は「梵天の滝」。長い時間をかけて岩を削ってできた滝だった。

全ての滝に共通して言えることだったが、岩肌に白い結晶がついていたのが印象的だった。もしかしたらシリカの結晶なのだろうか。これがまた長い時間をかけて水晶の結晶へと成長するのかと想像すると、とてもロマンがある話だ。
滝区間を抜けると落石やがけ崩れで少し危険な区間もあったが、定期的にすれ違う人たちとの交流もありそこまで不安になることはなかった。
瑞浪の人たちは皆声をかけてくれるなと感じていた。とても温かい人たちが多い地域なのかと思う。
水晶山の頂上|妻が幼い頃に水晶を拾っていた場所【瑞浪市 ハイキング】
そうこうしていると、水晶山の頂上に到着した。

小さい奥さんはこんなとこまで登ってきて水晶を拾ってはいなかっただろうけど、とびきり素敵な風景が目の前に広がっていた。

なんて素敵な風景なのだろう。
自分が愛した奥さんはこの奇跡だらけの素敵な場所で過ごして、奇跡みたいな確率で自分と出会って結婚した。
この世は奇跡の連続なんだろうけど、その奇跡が花崗岩になり、温泉になり、水晶になり、美濃焼のように必然となる。
自分と奥さんが出会って奇跡みたいな子供たちが産まれて、ここから先は必然に変わるのかもしれない。
きっと意味のないことなんてこの世にはないのだろう。
奇跡は、やがて必然になる

山をくだって、駐車場につきブロンプトンに乗って近くの釜戸駅へ。
釜戸駅からは一本で名古屋駅まで帰れる。
今日は思い立ったまま瑞浪に向かったが、奇跡の連続が生み出した途方もないスケールの温かい場所だった。
あぁ、やっぱり旅はいいなあ。
今日もいい旅だった。
次はどこへ行こうか。



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