第19話|埼玉転勤後、最初のゆるポタは「ところざわサクラタウン」

STORY

4月1日付けで、愛知県から埼玉県へ転勤になった。

もし、壊れそうになりながら頑張り続けていたら。
もし、ゆるポタ輪行旅に出会っていなかったら。

埼玉への転勤も、ただ心をすり減らすだけの出来事になっていたかもしれない。

だけど、自転車は「全力じゃなくていい」と教えてくれた。
だから転勤が決まったとき、自分が真っ先に思ったことは、

「関東地方ではどんな旅が待っているのだろう」

だった。

これは自分でも驚いた。
人間、変われば変わるものだと思った。

転勤や仕事で心をすり減らしている人にとって、こういう小さな旅が少し呼吸を整える時間になればいい。
そんな気持ちでこのブログを書いている。

誰かが読んでくれているのかはわからない。
だけど、これからも書き続けていこうと思う。


ようやく作れた、自転車に乗る時間

埼玉に来てからというもの、バタバタしていて、なかなか自転車に乗れないままだった。
だけど、ようやく時間が作れた。

実は埼玉に来たら、最初に行こうと決めていた場所があった。
それが「ところざわサクラタウン」だ。

正確に言うと、目当てはところざわサクラタウンの角川武蔵野ミュージアムである。

自分は本屋さんが大好きだ。
年々、本屋さんが縮小していくのを寂しく思っている。

そんな中、本好きにはたまらないこの施設は、興味しか湧かない場所だった。

ここは、もともと浄水施設があった跡地だ。
その活用コンペをKADOKAWAが勝ち取り、隈研吾建築都市設計事務所が設計した、花崗岩に包まれた61面体の近代的な建造物が誕生した。

つまり、見どころ満載ということ。
だからこそ、埼玉に来たら真っ先に訪れたい場所だった。


本日のルート

📍草加市 → パン・ピジョン → ところざわサクラタウン → 東所沢駅 → 南越谷駅 → 草加市

Screenshot
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まずは川口の人気パン屋「パン・ピジョン」へ

草加市の新しいアパートを出て、まず目指したのは川口市の「パン・ピジョン」。

道中どこかで昼を食べて向かおうと思っていたところ、ちょうど良さそうなパン屋さんを見つけたので、そこを第一目的地にした。

そこまで走ってみた感想としては、埼玉県は愛知県に比べて、自転車専用レーンが設定されている道が多いように感じた。
おかげで街中でも比較的安心して走ることができた。

もちろん、自転車専用レーンに駐車している車もあった。
だけど、それを警察の方が注意しに行っている光景も見かけた。

今はまだ周知徹底されていない部分もあるのかもしれない。
でもそのうち、皆がルールを守って、本当に危険な運転をする人だけがきちんと取り締まられる。そんな世の中になるといいなと思った。

そんなことを考えながら走っていると、第一目的地の「パン・ピジョン」に到着した。

確か11時くらいだったと思うが、その時点ですでに店の前には列ができていた。
その時点で、「美味しそう」ではなく、「間違いなく美味しい店」になった。


看板商品のクリームパンに期待が高まる

店の前にはクリームパンの看板が出ていた。
どうやら看板商品らしい。

地元・石川県珠洲市にも古川商店というパン屋さんがあって、そこのクリームパンも絶品だった。
だからこそ、ここのクリームパンにも期待が高まる。

店内はそこまで広くない。
だけど、色とりどりのパンとその香りが、さらに期待を膨らませてくれる。

列に並びながら反時計回りに進み、左右のパンを物色していく。
正直、3周くらいしたい気持ちだった。

だけど、一人だとそんなに買っても食べきれない。
厳選しなくてはいけないのがつらい。

家族で行けばいろいろ買ってシェアできるのになあ、と少し悔しくもなった。

ここで買ったのは、クリームパン焼きそばパン
クリームパンは30分以内に要冷蔵とのことだったので、フロントバッグに入れて近くの公園を探した。


公園で実食。これは人気なのも納得だった

公園に着き、まずは時間制限のあるクリームパンから食す。

生地は香ばしく焼き上げられていて、中のクリームは恐らく2種類入っていた。

ひとつは濃厚なカスタードクリーム。
これがクリームパンであることをしっかり主張してくる。

もうひとつは、恐らく生クリーム系のホイップされたクリーム。
これがとろける食感で、大げさに言うと「飲める」パンにしてくれている。

それをしっかりまとめてくれているのが、香ばしく焼き上がった生地と、上にのったアーモンドスライスの香ばしさだ。
甘いものが苦手な人でも食べられるんじゃないかと思うくらい、バランスがいい。

焼きそばパンも普通の焼きそばパンとは違っていた。
キッシュのような形に焼き上げられ、真ん中にぎっしりと焼きそばが詰まっている。

ソースとかつお節のバランスも絶妙で、「ジューシーな焼きそばパン」という言葉がよく似合う。
どちらも本当に美味しくて、人気店なのも納得だった。

リピート確定のパン屋さんである。


いよいよ本日のメイン、ところざわサクラタウンへ

腹ごしらえを済ませ、いよいよ本日のメイン目的地、「ところざわサクラタウン」へ向かう。

途中、川に鯉のぼりが泳いでいる場所があり、小休憩を入れながら進んだ。
そしてようやく目的地に到着。

第一印象は、想像していたよりずっと大きいということ。
そして圧巻だった。

まずは建築物としての角川武蔵野ミュージアムを楽しむ。
美しく、そして雄々しい。

内部に入ると、入口は2階になっていて、地下のように見える場所が本来の1階部分らしかった。

入館は有料で、スタンダードチケットは1,400円。
営業時間は10:00~18:00、最終入館は17:30まで。
休館日は毎週火曜日で、火曜日が祝日の場合は開館とのこと。

受付を済ませ、まずは4・5階の本棚劇場と武蔵野回廊を見に行く。


本棚劇場で考えた、本と時間のこと

4階の本棚劇場では、20分に1回、きっとこの建物のコンセプトをまとめたものなのだろうプロジェクションマッピングが行われていた。

本とは文字であり、失われた文字もたくさんあって、今ここに残っている本たちはすべて歴史なのだ。
自分はそんなことを感じた。

いつか人類が滅びて、地球上に人類とは別の知的生命体が現れたとき。
この角川武蔵野ミュージアムが遺跡として発見され、今のこの時代が遠い未来に書物から想像されることもあるのかもしれない。

書物とはそういうものだと思う。
とてもロマンがある。

人は命あるうちに、どれだけの本を読み、どれだけの知識を蓄えられるのだろう。
知りたいという欲求はなくならないのに、時間が足りない。

要約でその本の知識を手に入れることはできる。
だけど、そこには筆者の温度が少し失われる気がする。

筆者がどんな環境で、どんな背景の中でその文章を書いたのか。
自分はそこまで知りたい。

温度というものは、実際に触れたからこそ感じられる。
人づてに聞いた温度は、どうしても想像でしかない。

ここは、そんなことを考えさせてくれる場所だった。


マンガゾーンで思った「読むこと」の価値

最後に1階のマンガゾーンへ向かう。

広くはないけれど、たくさんの老若男女がマンガを読んでいた。
日本が誇るマンガ文化は、なくなってほしくない。

マンガも小説も、人を物語の中へ連れて行く力がある。
活字離れの原因は、マンガではなく、むしろスマホの即時性なのではないか。

そう考えると、この場所は、時間をかけて「読む」ことの価値を思い出させてくれる場所だった。

色々なことを考えさせてくれる場所、ところざわサクラタウン。
本が好きな人なら、一度は行っておくべき場所だと断言できる。

埼玉に来られて、そして今この場所に来られて、本当に良かった。


閉館後は輪行で東所沢駅へ

思っていたよりも長居してしまい、気づけば閉館の時間になっていた。

帰りも自走で帰るつもりだったけれど、暗くなってしまうので輪行することにした。
ところざわサクラタウンから東所沢駅までは、5分くらいで行ける。

東所沢から南越谷までは一本で行けるが、草加へ帰るにはJR武蔵野線の南越谷から東武スカイツリーラインの新越谷に乗り換える必要がある。
ただ、南越谷から草加までは5kmほどなので、そこからは自走で帰ることにした。


帰り道に見えた、日光街道の面影

途中、松原綾瀬川公園内を走った。
ここは日光街道の跡地らしく、その面影を今も残してくれている。

日本橋から千住宿、草加宿、越谷宿と続く宿場町のひとつだったそうだ。
この話は、また後日しようと思う。


あぁ今日も良い旅だった。
次はどこへ行こうか。

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