先日、職場の後輩に聞かれた。
「折り畳み自転車って、何を買えばいいんですか?」
正直、この質問は答えにくい。
なぜなら折り畳み自転車は、生き方の話に近いから。
何故それに行きついたのか?これは腕時計にも似ていると思っていて、その人の生活スタイルが背景にあり、その選択に至る。
そういうものだと思う。
言い過ぎかもしれないが、どんな折り畳み自転車に乗っているかで何となくどんな人なのか想像ができる。
・・・過言かも知れない。
でもせっかく聞いてくれたからと思い、迷惑顧みず1時間くらい話してしまった。
帰り道で「あ、これ記事にしたら面白いかも」と思った。
というわけで、番外編④はこのテーマとする。
番外編③で書いた通り、ゆるポタは輪行との相性が抜群に良い。
特に都市部の自転車レーンの整備が整っていない地域に住んでいる人にとって「輪行」は、自分の行動範囲を一気に広げてくれる手段だと思っている。
今回は、僕が折り畳みを買うと決めてから選択肢に上がった5台の紹介をさせてもらう。
タイトルでは「おすすめ」なんて書いたが、ただ自分が悩んだ5台というだけ。
輪行に向いている折り畳み自転車とは?
「折り畳み自転車なら何でも良いんじゃないの?」
そう、その通り、好きなのを選べばいいと思う。
ただ、中には折り畳めるけれど実際の輪行では少し面倒なモデルがあるのも確か。
そういったモデルは往々にして走りに振っている傾向があって、 折り畳みの際の手順が面倒だったり、折り畳み後のサイズや重さが「輪行向き」かというと、正直そうでもなかったりする。
決して否定するわけではない。
多少面倒でも「この自転車が好きだから苦にならない」という方は、 一目惚れした一台を選ぶのが正解なのだ。
あくまで「僕ならこう選んだ」という基準を参考にしてもらえれば幸いだ。
僕の判断基準(優先順位順)
- 折り畳みが容易
- コンパクトになる
- 丈夫
この基準で選んだ5台がこちら。
- ブロンプトン
- ダホン
- バーディー
- ストライダ
- キャリーミー
では順番に。
① ブロンプトン

イギリスが産んだ、約50年の歴史を持つ名車。
基本素材はクロモリ(鉄)で、錆びに気をつけて使えば30年でも使い続けられる耐久性がある。 チタンモデルも存在する。
折り畳みは約30秒。
折り畳むとドライブトレインが全て内側に収まるので、輪行時に周囲を汚しにくい。
完成度が高い、という言葉がこれほど似合う自転車もそう多くないと思う。
本国イギリスでは輪行袋なしで電車に乗せられるケースもあるらしく、 そこから生まれた「周囲を汚さない」という設計思想なのだろう。
英国紳士らしい気遣いだ。
僕がブロンプトンを買った理由は「一目惚れ」と「出会い」だった。
廃盤になっていたフレイムラッカーを、たまたま中古で見つけてしまった。
縁というやつだと思う。
乗り始めて感じたのは、完成度の高さへの驚き。
現状の不満は「貧脚なのに坂が好きなのでギアが足りない」くらいだ。
買うまでは色々とカスタムまで考えていた、例えば少しでも軽くしたいからシートポストをアルミ製に交換しようとか。
だが、純正シートポストは毎回同じ高さに簡単に調整できて便利すぎて、交換する気が失せた。
サドルも50km程度ならレーパン不要でお尻が痛くならないので、これまた変える気が失せた。
結果的にノーマルで十分完成されている。
ミニベロはふらつくと言われるが、初日から違和感はなし。
ホイールベースが1045mmと長いことが、安定性に寄与していると感じる。
これが買う前の選択肢に出てきたのは、単純に昔からの憧れと、多分結局これがいずれ欲しくなるだろうと思ったから。
BROMPTON 価格はここから確認できます。② ダホン

アメリカの老舗ブランド。ラインナップが非常に豊富である。
輪行向けとして特に人気なのが K3 と K9X。
- K3:ホイールベース840mm。約7.8kgの軽さが武器。
- K9X:ホイールベース920mm。安定性と軽快さのバランス型。
どちらもブロンプトン(1045mm)より短いので、ややふらつきやすい傾向がある。
ただその分、軽快さがある。一長一短だ。
フレームにダボ穴が豊富で、キャリアを増設して荷物を積めるのも強み。
積載力を重視する人には、かなり有力な選択肢だと思う。
僕はK9Xを試乗したことがあるけど、本気で悩んだ。
「ブロンプトンとどっちにしよう」と、かなり長い時間考えた記憶がある。
そして最近、ダホンがとんでもないものを出してきた。
電動アシスト折り畳み自転車「K-Forth」です。
実はいつか奥さんと一緒にゆるポタをしたいと思っていて、 坂があっても苦にならないこのモデルは奥さんにピッタリだと思っている。
ずっと夢に終わってしまいそうだったけど、実現できそうにしてくれてありがとうと言いたい。
スペックを見ても、輪行に使えるレベルに収まっている。
- ホイール:16インチ
- 重量:約12.5kg
- 走行距離:約30km(電動アシスト)
- 折り畳みサイズ:W77×H63×D35cm
- 価格:¥165,000(税込)
「電動アシスト付けました、でも重くて輪行には向きません」とならないところが素晴らしい。
基本をちゃんと守っている。
それだけで信頼できる。
ダホンを選択肢に入れた理由は、価格だった。
ブロンプトンの約半分の価格で、出来ることは変わりはないからだ。
③ バーディー

ドイツの名車。
ブロンプトン・ダホンと並んで、昔から自転車雑誌に載っていた存在だ。
メカメカしくスポーティな見た目と、豊富なカスタムパーツ。
ミニベロに全く興味がなかった時代でも「かっこいいな」と思っていた自転車だ。
一言で言えば、「かっこいい」。
これに反論は認めない。
特徴的なのは、前後サスペンション部が折り畳み機構になっている点。
フレーム自体にヒンジがない。
モノコックフレームと呼ばれるこの構造が意味するのは「剛性」。
折り畳み機構があるフレームは、どうしてもそこが弱くなる。
バーディーにはそれがない。
走り重視で設計されているのが、外見だけでなく構造からも伝わってくる。
ホイールベースは約1000mm。安定性とスポーティさを両立している。
ヒルクライムレースにこれで参加する猛者もいるくらいで、 「輪行もしたいが、走りも妥協したくない」という人にはもってこいの一台だと思う。
僕がこの自転車を候補に入れた理由は、最初に言った通り見た目がめっちゃ好きだったから。
更にディスクブレーキで、ギア数も多い。
その上ブロンプトンより安い。
ただ今の自分には「頑張らない」が一番の根底にあるから走りの重要度は低い。
しかし走る自転車に跨ったらまた知らない間に頑張っちゃている自分がいそうで怖く感じ、試乗すらまだしていない。
早々に選択肢から外れた一台でもある。
④ ストライダ

ブロンプトンと同じくイギリス生まれ。三角フレームが唯一無二。
三角形の底辺を外すと、パタパタと一本の棒状になる。
折り畳み時間、約5秒。
ブロンプトンの30秒と比べると、別次元のはやさだ。
ホイールベースは890mm。シングルスピード+ベルト駆動なので、油汚れは皆無。
スーツで乗っても、裾が汚れる心配がない。
開発背景は「都市部の通勤用」らしい。
まさにドンズバな設計だ。
長距離を走る用途ではなく、電車で移動してその先でサッと展開して街を回る。
そのために生まれた自転車だと思う。
サイクリングというより「移動拡張ツール」として優秀といえる。
「電車旅は好きだけど、駅からの行動範囲が狭くて…」という人にはもってこいな一台。
乗り味はよくわからないけど、そもそもその距離を乗る用途の自転車ではないと思うので、
形が気に入ったなら、それだけで買いだと思う。
候補にした理由は、思い切った奇抜なデザインに惚れたからだ。
ただ、未知数すぎて最初の一台にするにはレベルが高すぎるな。とこれまた早々に候補から外れた一台だ。
⑤ キャリーミー

台湾製、8インチ極小タイヤのミニベロ。
ストライダをさらに極端にしたような存在だけど、コアなファンがとても多い。
このタイヤで100km走る人がいるらしいので、見た目で勝手に限界を決めない方が良いのかも知れない。
実はこれ、僕が次に欲しい一台。
理由はブロンプトン輪行の唯一の不満、「身軽さの喪失」を解消してくれるから。
ブロンプトンでの輪行は最高に楽しいけど、輪行袋に入っている間だけは少し困る。
- 駅構内のトイレの利用の際
- 満員電車での罪悪感
- 商業施設でコインロッカーを探しても、サイズが合わない問題
これが地味にストレスになる。
キャリーミーは、それを一気に解消してくれる。
畳めばA4用紙程度の床面積。縦型のコインロッカーに入る。
電車の中でもリュックを前にかける程度のスペースしか使わないので、あまり気を遣わずに済む。
僕がこれを候補に入れた理由は、輪行がメインで駅周辺の半径10㎞程を行動範囲とするならこれでも十分じゃないかな?と考えたからだ。
実際に最後の最後まで候補として残っていた。
ブロンプトンとダホンで、ブロンプトン!
ブロンプトンとキャリーミーで、、、、ブロンプトン。
となった。
両方買う余裕があれば間違いなく買っていたかもしれない。
最後に
折り畳み自転車に「完璧」はありません。
だからこそ多様な機構や形があるのだと思います。
数台を用途別に使い分けるのも良し。
不便ごと楽しみ一台を相棒として育てるのも良し。
大切なのは、5年後・10年後を思い描ける一台を選ぶこと。
それがあなたにとっての正解だ。
どんな折り畳みに乗っていても、それを批判するような野暮なオーナーは、この界隈にはいない。
自分の一台を、自分の正解にすれば良い。
……と、後輩にもこういう話をしたら、
「まあ、それは何となくわかりました。それよりヘルメットってやっぱり被らないとだめですか?結構抵抗があるんですが、おすすめのヘルメットってありますか?」と言われた。
興味を持ってくれているのが嬉しくて更に御飯に誘い続きの話をすることにした。



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