第四話 ブロンプトンと小さな旅

STORY

― とにかくブロンプトンで、ゆるポタがしたい ―

ブロンプトンを手に入れて数日。
とはいえ季節は師走。
忘年会シーズンということもあり、なかなか週末にゆるポタする時間が作れなかった。

明日の日曜日は久しぶりの一日休み。
「行けそうだな」と天気予報を確認すると、雨……。

今日は土曜日。
でも溜まっている仕事を片付けないと、来週が大変になるのは目に見えている。

――なら、こうしよう。

会社までのルートを少し遠回りして、
ゆるポタしながら通勤する。

■【名古屋ゆるポタ】ブロンプトンで街中を走る理由と行き先

行き先は
「オアシス21」。
名古屋・栄にある都会的な公園だ。

理由は単純で、
ロードバイクに乗っていた頃、街中にはほとんど行かなかったから。

どちらかといえば、向かうのはいつも山。
自転車で街へ向かうという行為自体が、実は初めての経験だった。

■【装備紹介】ブロンプトン街乗り・ゆるポタ時の持ち物とセッティング

ブロンプトンに必要なものを詰めたバッグを、
フロントキャリアブロックに取り付ける。

中身は――

  • パンク修理キット
  • ロックチェーン × 2
  • モバイルバッテリー
  • 輪行袋
  • レインカバー

とりあえず、これだけ。

■【BEELINE Velo 2レビュー】道を決めないナビが“ゆるポタ”に最適な理由

サイクルコンピューターは付けず、
ナビ機能に特化した BEELINE Velo 2 を装着。
備忘録用に DJI OSMO ACTION 5 PRO も取り付ける。

足元はビンディングシューズではなく、
私服に普通の靴。

準備は万端だ。

BEELINE Velo 2 の「コンパス」機能が、これまたいい。

表示されるのは、
方角と距離だけ。

だから道順は決まっていない。
矢印が指す方向へ、気の向くままに走るだけ。

まさに、
ゆるポタのためにあるような機能だ。

さあ、出発。

走り出した瞬間、自然と顔がにやける。
理由は簡単で、
こんなにラフな格好で自転車に乗るのは初めてだからだ。

■【街乗りの楽しさ】ブロンプトンだからできる自由な寄り道

途中、名古屋城付近で大きな銅像が目に入った。
少し寄り道してみる。

どうやら、名古屋城の築城に一役買った
築城の名人 「加藤清正像」 らしい。

少し奥には、名古屋城の天守閣も見えた。

次に目に止まったのは、大きな鳥居。
立ち止まってみると、愛知縣護国神社 の大鳥居だった。

国を護るために亡くなった、
約9万3千人の御霊が祀られているという。
厄除けにも良いらしい。

ほんの少しだけ、
歴史に触れた気がした。

■【街乗りの楽しさ】ブロンプトンだからできる自由な寄り道

しばらく走ると、街の雰囲気が一気に変わる。

商業都市の空気から、
洗練された都会の空気へ。

公園と約40もの店舗が一体となった 久屋大通公園。
目の前には、中部電力 MIRAI TOWER がそびえ立っている。

そこを抜けると――
目的地、オアシス21だ。

■【休憩スポット】オアシス21で何もしない時間が心を整えてくれた

オアシス21内は自転車進入禁止。
駐輪場を探すと、NHKビルとの間に駐輪場を見つけたので、そこに停める。

ロック付きの駐輪場だったが、念のためダブルロック。

23Lのメッセンジャーバッグは余裕があり、
ヘルメットもすっぽり収まるのがありがたい。

フロントキャリアブロックからバッグを外し、肩にかける。

気になっていた、宙に浮いている広場へ。

水とガラスだけでできた、不思議な空間。
下からは、イベントの生ライブの音が聞こえてくる。

広場はクリスマス一色で、かなり賑わっていた。

ベンチに座って、しばらくぼーっとする。
サイクリングで少し火照っていた体が、徐々に冷えていく。

――よし、充電完了。

■【帰り道も旅】名古屋ゆるポタで感じたブロンプトンの魅力

帰り道でも、寄り道は続く。

ススキが綺麗な堤防道路。
交通量も少なく、路肩に停めて写真を撮ったり、

野球場で練習している少年たちを眺めたり。

ただ、のんびり戻る。

そんな中で、ふと思い出す。

「輪行し損ねたな……」

今まで経験したことのない輪行。
実は、ものすごく抵抗がある。

誰かに迷惑をかけないだろうか。
本当に電車に乗せて大丈夫なのだろうか。

――次は、輪行にチャレンジしよう。

そう心に決めた、
初めてのゆるポタだった。

■ 次回もお楽しみに!

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