中古サイトで一目惚れした
BROMPTON 。
勢いで買ってしまった。
本当にこれで良かったのか?
緊張とワクワクをひとまとめにしたような気持ちで、
予約した日がやってきた。
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■ お店までのラストライド
9年間イベントで日本各地一緒に回ったロードバイク。
最後にしっかりとメンテナンスをして、お店へと15km程の短い最後のライドを楽しんだ。
風が気持ちいい!
緩やかな登り勾配の道も思い通りにレスポンス良く軽やかに走る。
なんだか寂しくなってきた⸻
あっという間にお店に着いた。
店に入ると、スタッフさんが穏やかに迎えてくれた。
「まず査定しますね」
世間話をしながら手際よく査定をしていく。
いざ手放すとなると思うと目頭が熱くなってきた。
スタッフさんは勘付いたのか
「並んでる自転車みてください。買い取らせて頂いた自転車はみんなここまで綺麗にして新しいオーナーに引き継がれます。だから安心してください」
お店に並んだ自転車をみると、確かに中古なのかと疑うほど綺麗だ。
「ありがとうございます」
と自然に言葉がでた。
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◼️素敵な縁
お店の奥に光が当たって“炎みたい”に色が変わるBROMPTON を見つけた。
やっぱりこの色綺麗だなぁと見惚れていると
「クランク見てください、傷ひとつないでしょ?前のオーナーさん1mmも乗ってなかったみたいなんですよ」
スタッフさんが奥のワークスペースから教えてくれた。
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これも縁か。
9年間連れ添ったロードバイクを売ると決めてから歯車が噛み出したかの様な縁。
世界が本当は優しかったと気づかせてくれたのも、背中を押してくれたのも、全部お前だったよなぁ。
最後に旅に送り出してくれたのか?
なんて都合のいい解釈かな?
お前のおかげで色んな経験ができて、色んな人と出会って、凄く素敵な9年間だった。
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ほんとだよ?
最後の最後にこのBROMPTON と出会わせてくれて、旅に出させてくれて本当にありがとう。
また歩き出せたよ。
もう大丈夫
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「査定が終わりました。9年前のロードバイクとは思えない程しっかり整備されていたので、先にお知らせしてた金額より高く買い取れました。本当に大切に乗られてたんですね」
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■ 新たな旅への始まり
手続きが全て終わり、BROMPTON が次のパートナーになった。
お前の先輩とは本当に色々な所に行ったんだよ。
これからはお前と色々な旅に出よう。
「早速、帰りどのルートで帰ろうかな……」
家への帰り道すら旅になる。
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■ 新しいパートナーと走る帰り道
夕方の風を切りながら、ゆっくり走る。
流石にロードバイクの様な軽快さはない。
だけど良いんだ。
それが新しい自分のスタイルなんだから。
海でも、街でも、山でも、電車でも。
これからは何処にでも一緒に行こう!
今日から、自分とBROMPTONとの旅が始まる。
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■ 次回予告
『第四話 ブロンプトンと小さな旅』
どうぞお楽しみに。


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